2019年2月24日日曜日

2019.2.20 第18回口頭弁論期日報告

第18回口頭弁論期日報告
弁護団長 井 戸 謙 一

1 今回、原告側は次の5通の準備書面を提出しました。
(1) 準備書面65 
 南相馬市立総合病院が公表した「患者数」について、その意味内容を同病院自身がホームページで公表した内容を紹介し、それを前提としても疾病が増加傾向にあることを指摘するとともに、健康被害の状況について慎重な観察と検討が必要であることを指摘したもの
(2) 準備書面66
 低線量被ばく、内部被ばくについての原告の主張に対する国及び福島県の認否に対し、再反論、再批判を加えたもの
(3) 準備書面67
 LSS14報を巡る議論の混乱の原因が、同論文がモデル選択を完遂しなかったことにあることを指摘し、これを完遂すれば、LNTモデルが最も当てはまりの良いモデルであることを主張するとともに、LNTモデルの射程は外部被ばくに止まり、内部被ばくには及ばないこと、原爆被害者の健康被害も、放射性微粒子による内部被ばくを考慮しないと説明できないことを指摘したもの
(4) 準備書面68
 国は「LNTモデルは科学的に実証されていない」と主張しているが、これは誤りであり、科学者が証明しようとしてきたのは閾値の存在であり、いまだに閾値が存在することが証明されていないことを指摘したもの
(5) 準備書面69
 福島県の甲状腺検査サポート事業で医療費を受給した患者の数を考慮すると、福島県内における小児甲状腺患者の発生数は少なくとも273人に及ぶことを指摘し、小児甲状腺患者発生の実態を把握、公表しようとしない福島県の対応を批判したもの
2 被告側は、いわき市から簡単な準備書面が出ましたが、被告国からは準備書面は提出されませんでした。不溶性放射性微粒子についての国の主張は、次回に提出されるものと思われます。
3 裁判所は、本件訴訟の中心論点が内部被ばく、とりわけ不溶性放射性微粒子による内部被ばくの問題であるという認識を示し、原告側に対し、原告の多岐にわたる主張におけるこの問題の位置づけを明確にするように求めました。そして、次々回には主張整理を終えるとともに、人証の採否を決定し、次々々回からは、証人尋問に入りたいという意向を示しました。
4 裁判所は、内部被ばくの問題について本腰をいれて取り組もうという姿勢を示され、勇気づけられました。次回口頭弁論期日は5月15日午後2時30分、次々回は、7月9日午後2時30分と決まりました。いよいよ、秋からは証人尋問に入ることになりそうです。
以上

3 件のコメント:

  1. このような論文が発表されていました。

    確率論的体内動態解析法の開発と不溶性セシウム含有粒子の内部被ばく線量評価への適用
    https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5061326
    粒子の不溶性に起因する線量の不確かさは預託実効線量が1mSv程度の被ばくレベルでは無視できる程度に小さいことが分かった。

    かなり過小評価してるものと思われます。

    返信削除
  2. 佐藤達彦氏,松谷 悠佑氏,真辺 健太郎氏によるプレゼン資料によれば、
    http://anshin-kagaku.news.coocan.jp/hobutsu2018.1satoh.ppt.pdf
    最終ページに

    3. 確定的影響やバイスタンダー効果に対しては,従来の被ばくとは応答が異なる可能性がある

    とありますので、「無視できる程度に小さい」という結論にはなにか意図的なものを感じます。

    返信削除
  3. 原子力規制委員会記者会見録でセシウムボールが問われている数少ないものですが
    http://www.nsr.go.jp/data/000221687.pdf
    健康影響に言及できる次元ではないですが、更田委員長が

    規制上の要求や審査にインパクトを加えなければならないようなものがあるか。今、私たちにとってはそれは最大の関心事であって、当然それは常に探しにいこうとしているわけですよ。(8ページ)

    と述べています。平成30年2月28日(水)のものです。

    返信削除