2016年8月10日水曜日

準備書面(14)・(15)・(16)

8月8日の第6回口頭弁論に先立ち提出した書面です。

原告準備書面(14)-被告国第2準備書面第1~第3、第5に対する反論-

原告準備書面(15)-被告国第2準備書面第1~第3、第5に対する反論-

原告準備書面(16) -裁判所、被告国の求釈明に対する回答-
 ※なお、準備書面(16)の第1の2については、第6回口頭弁論期日では陳述を留保しています。



裁判記録には,これまでの記録を載せています。

2016.8.8第6回口頭弁論期日報告

2016.8.8
2016.8.8第6回口頭弁論期日報告

 子ども脱被ばく裁判 弁護団長 井 戸 謙 一


第1 第三次提訴について
1 2016年5月10日、第三次提訴を行いました。子ども人権裁判原告が3名、親子裁判原告が30名(子ども人権裁判の原告3名を含む)です。
2 本日、第三次提訴分についての第1回口頭弁論が開かれ、第一次提訴分・第二次提訴分の事件と併合されました。(今後は、3つの事件が一体として審理されることになります。)

第2 今回の期日について
1 原告側が準備した準備書面
(1) 原告側は、準備書面(14)(15)(16)を提出しました。
(2) 準備書面(14)は、被告国が前回提出した準備書面(2)の一部に対する反論で、国が依拠する低線量被曝に関するワーキンググループ報告書(WG報告書)及びICRP2007年勧告の内容を批判するものです。
準備書面(15)も、被告国準備書面(2)の一部に対する反論で、国には市民に対してスピーディやモニタリングデータの情報を提供する義務がないとの国の主張を批判し、このような市民の生命、健康にかかわる情報を提供するのは法律上の義務であることを主張するものです。
(3) 準備書面(16)は、被告国からなされた質問に対する回答です。被告国は、親子裁判の原告の中に、他の訴訟(生業訴訟、いわき市民訴訟等)でも原告になり、国に対して損害賠償を求めている人がいることから、重複訴訟ではないかと問い質してきました。これに対しては、他の訴訟で求めているのは、国が東京電力に対して規制権限を適正に行使せず、福島原発事故を招いたことに対する損害賠償であり、本件で求めているのは、福島原発事故発生後、国が被ばくから市民を防護する義務を果たさなかったことに対する損害賠償であるから、対象が異なり、重複訴訟には当たらないと主張しました。また、国は、被ばくの不安についての精神的苦痛は、東京電力から受け取った賠償金によって満足していると考えられるから、原告ごとに東電から受け取った賠償金の金額を明らかにするよう求めました。これに対しては、東京電力から受け取ったのは、東京電力が原発事故を起こしたことによる損害の賠償であり、本件で請求しているのは、事故後になされるべき防護対策がなされたなったことによる損害の賠償であって、対象が異なるから、東電から受け取った賠償金の金額を明らかにする必要はない、として、国の求めを拒否しています。

2 本日の裁判所
裁判所は、子ども裁判の進行について被告自治体らの意見を求めました。被告自治体らは、裁判所の判断に従うとの意見だったので、裁判所は、子ども裁判について分離判決をしないことを明言し、子ども裁判の被告自治体らに対し、原告らの主張の中身について(今の環境が子どもにとって健康上のリスクがあるか否かについて)反論をするように求めました。これによって、子ども裁判が門前払い却下されるおそれがなくなりました。

第3 今後の展開
1 子ども裁判の被告である自治体らから、実質的は反論が出てきます。ようやく、現在の福島の被ばく環境と健康上のリスクについて、本格的な議論が始まります。
また、親子裁判では、今後、原告側で、原告の陳述書に基づいて、国や福島県の違法行為によって各原告がどのような損害を被ったか(どのように無用な被ばくをさせてしまったか)について主張をしていくことになります。
2 県民健康調査を縮小する方向が打ち出されています。被ばくを軽視し、その被害を隠す企てが急速に進行している中で、この裁判の持つ意味は大きいと思われます。
子ども裁判について門前払い却下するという裁判所の方針を変えさせることができたのは、全国の方々から多数の署名をお寄せいただいたことの成果だと考えます。これからも、ご支援をよろしくお願いいたします。
以上 

 


2016年5月28日土曜日

子ども脱被ばく裁判の予定(平成28年後半)

子ども脱被ばく裁判の予定(口頭弁論期日)は以下のとおりです。


  第6回 口頭弁論期日 8月8日(月)15時

  第7回 口頭弁論期日 10月12日(水)15時

  第8回 口頭弁論期日 12月12日(月)15時


場所は,すべて福島地方裁判所203号法廷です。
福島地方裁判所:福島市花園町5-38

準備書面(11)・(12)・(13)、意見書

5月26日の第5回口頭弁論に先立ち提出した書面です。
また、東京大学先端科学技術研究センター児玉龍彦教授から頂いた意見書についても、掲載します。

原告準備書面(11)-「請求の特定」についての補足-

原告準備書面(12) 児玉龍彦教授作成の意見書(甲C45号証)について

原告準備書面(13) 被告国に対する求釈明及び安定ヨウ素剤を配布しなかった違法についての補充等

児玉教授の意見書(お使いのブラウザで表示します)


裁判記録には,これまでの記録を載せています。

2016.5.26第5回口頭弁論期日報告


2016年5月27日
第5回口頭弁論期日報告

弁護団長  井 戸 謙 一

1 第三次提訴
  2016年5月10日、第三次提訴を行いました。子ども人権裁判には、新たに3名の子供たちが、親子裁判には新たに27名の親子が原告に名乗りをあげました。

2 進行協議期日(2016年5月26日午後2時)
  口頭弁論期日に先立ち、進行協議期日が開かれました。席上、裁判官は、第三次提訴があったので、これを第一次提訴・第二次提訴分と併合審理する予定であること、したがって、行政訴訟部分(「子ども人権裁判」のことです。)を国家賠償訴訟部分(「親子裁判」のことです。)から分離して判決をするか否かは、第三次訴訟を併合してから決めることを述べ、「本日の口頭弁論期日では、分離はしない」という方針を明らかにしました。その上で、裁判長は、次のように発言しました。
「行政訴訟部分の原告らの請求は、多岐にわたっており、問題となっている「訴訟要件」も同一ではない(被告市町村は、子ども人権裁判は、『訴状要件』が欠けているから門前払い却下すべきだと主張しています。)。裁判所が、行政訴訟部分を分離して判決した場合、結論がすべての請求について同一になるとは限らない(一部の請求は、訴訟要件を欠き、違法であるから却下しても、一部の請求については訴訟要件を備えており、適法であるという判断になることがあり得るということ)。その場合、原告は、却下された請求については、控訴するだろうから(適法な請求は、福島地裁で審理が続けられるので)、子ども人権裁判が、仙台高裁と福島地裁の双方で同時に審理されることになる。こうなると、原告も被告も負担が大きい。従前、被告市町村は、行政訴訟部分を分離して判決することを裁判所に求めており、裁判所もそのつもりであった。しかし、上記のような事態が生じ得るのだから、被告市町村には、行政訴訟部分の分離・判決を裁判所に求めるのか、再検討してほしい。」
裁判長は、要するに、「行政訴訟部分(子ども人権裁判)を分離・判決しても、すべての請求について訴訟要件がないとして却下するという判断はできないと考えている。そうなると、分離・判決をする意味がないので、被告市町村は、裁判所に対し、分離・判決を求める意見を撤回してほしい。」と、暗に求めたのだと理解できます。
これで、子ども人権裁判について、少なくともすべての請求が却下されるという心配は事実上なくなり、実体の審理(行政が、希望する子どもたちを今よりも安全な地域で教育する義務があるか)に入ることができることがほぼ確実になりました。たくさんの方々のご尽力により、全国から多数の署名と要請ハガキを寄せていただいたこと、原告の人たちが口頭弁論の都度、裁判官に対して直接訴え続けたことが実を結んだものと思います。なお、最終的な決定は、次回になされます。

3 口頭弁論期日(2016年5月26日午後3時)
口頭弁論において、原告側は、準備書面(11)(12)(13)を陳述しました。準備書面(11)は、子ども人権裁判の請求が訴訟要件を備えている旨を主張したものです。準備書面(12)は、東大の児玉龍彦教授に作成していただいた意見書に基づいて、スピーディやモニタリングデータ等の情報を隠ぺいした国の不作為を断罪したものです。児玉教授は、意見書で、特に文科省の無為無策を厳しく追及しておられます。準備書面(13)は、安定ヨウ素剤を服用させなかったことの違法主張の追加であり、1999年にウクライナの内分泌代謝研究所所長のトロンコ氏が発表した論文では、小児甲状腺がんになった子どもたちの甲状腺吸収線量は、100mSv以下が過半数であり、36%の子供たちは50mSv以下、15%の子供たちは10mSv以下であったことが分かっており、これを踏まえてWHOは、安定ヨウ素剤服用の基準を小児甲状腺等価線量10mSvに引き下げたのだから、100mSvのまま放置していた日本の基準は、高すぎて違法である、等と主張したものです。
他方、被告国からは、長期低線量被ばくの健康リスクについて、本格的な主張が出てきました。長期低線量被ばくによる健康被害は、発がん以外にはなく、発がんのリスク増加も100mSvを超えない限り、認められていないとし、ICRPの2007年勧告は正当であって、国は、これに従ったものであって何ら問題はないというのです。そして、国には、モニタリングデータを住民に提供する法的義務はない、20mSv通知は、指導助言にすぎず、これに従うか否かは、福島県の判断に委ねられていた、と断じました。
また、今回も2名の原告が、意見陳述をしました。その静かな怒りは、法廷中の人たちの胸に突き刺さったことと思います。

4 今後の予定
次回期日は、8月8日(月)午後3時からです。次々回期日は、10月12日(水)午後3時、次々々回期日は、12月12日午後3時とさだめられました。期日のペースが2か月に1回と早くなってきました。裁判所の姿勢が積極的になってきたように感じます。
いよいよ、本格的な議論が始まりました。引き続き、ご支援をお願いいたします。

以上

2016年2月29日月曜日

平成28年2月25日(第4回口頭弁論期日)での活動の様子

前半、裁判前の映像です
20160225 UPLAN【事前交流集会】子ども脱被ばく裁判第4回期日  https://www.youtube.com/watch?v=6SBxP6Oq_xw


後半、裁判所前から記者会見、意見交換会までの映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=P_Axb8t-i7Q