2016年2月27日土曜日

2016.2.27

2016.2.25第4回口頭弁論期日報告

子ども脱被ばく裁判 弁護団長 井 戸 謙 一

第1 今回期日に至る経緯
  1 前回の第3回口頭弁論期日で、金沢裁判長が、親子裁判から子ども人権裁判を分離・終結して門前払い判決をする意思を明確にしました。私たち弁護団は、前回期日の場で分離・終結を阻止することに何とか成功し、今回期日まで、裁判所に分離・終結をさせない対策を検討する時間を確保しました。
 2 今回の期日までに弁護団がとった対策は、次の(1)(2)でした。 
 (1) 「危険とまでは言えない地域」を表した地図を更に詳細化する。
 (2) 現在の教育環境では子どもの健康リスクを否定できないことを理由に、現在の学校施設で教育活動を続けないことを求める請求を追加する。(いままでの請求は、「危険とまでは言えない地域」で教育を受ける権利があることの確認及び教育をすることを求める請求でしたが、「危険とまでは言えない地域」の特定が難しく、裁判所がその点を理由に門前払い判決をすると思われましたので、今までの請求の前提となる「現在の学校施設で教育活動を続けさせない」ことを独立の請求として立てたものです。この請求が認められた場合、ではどこで教育活動をするかは行政が自分の責任で考えろということになります。この請求では、「危険とまでは言えない地域」を原告側で定義づけ、これを特定の必要がありませんから、門前払い判決をする理由がなくなります。) 
 3 更に、弁護団は、原告や支援者たちとの意見交換で受けた示唆を踏まえて、「危険とまでは言えない地域」として、従前の2つの定義(「現在において追加実効線量(外部被ばく)が年0.3mSvを下回る地域」、「事故直後においてセシウム137の土壌汚染が37000ベクレルを下回る地域」)に加えて、3つ目の定義を立てることとしました。これは、原発で出た資材を再利用するための基準であるセシウム134、137合算で1キログラム当たり100ベクレル(クリアランス基準といいます)を参考に、「現在においてセシウム134、137合算で土壌1キログラム当たり100ベクレル(1平方メートルあたり6500ベクレル)を下回る地域」というものです。ただし、最も新しい文科省の航空機モニタリングにおける表示下限が1平方メートルあたり1万ベクレルですので、せめて、このモニタリングによって、「セシウム134、137合算で1平方メートルあたり1万ベクレルを上回らない地域」としました。これについても、専門的技能を持った方に甚大なご協力をいただき、詳細な地図でその地域を特定しました。 
 4 これらの請求を新たにたてたところ、被告らからは、これらの新請求も、不適法だから門前払い却下すべきである旨の主張が出されていました。

第2 今回の期日
 1 今回、金沢裁判長は、この期日において子ども人権裁判を分離・終結しないことを言明しました。そして、原告側に対し、新請求について被告らから出ている「門前払い却下」すべきであるとの主張に対して反論するように求めました。 裁判所は、前回の期日では、当事者の主張を聞くこともなく、裁判所の考えで門前払い却下する意向を示していましたので、今回の対応は、前回とは全く違っていたと評価することができます。被告らの主張に対して原告側が適切に反論すれば、裁判所は、門前払い却下ができなくなる可能性が強いように思われます。
 2 今回も原告お二人が意見陳述をされました。お一人は、関東に自主避難されたお母さんで、自主避難が遅れ、子どもに無用な被ばくをさせたことの無念さと行政に対する怒りを凛として話されました。お一人は、現在も福島で子育てを続けているお母さんで、今の福島で子育てをすることの悩み、苦しみを訴え、条件さえ許せば、普通の環境で子育てをしたいという思いを述べられました。原告代理人や傍聴席は勿論のこと、裁判官や被告側代理人の胸にも強く響いたものと思います。
 3 前回期日以降も、全国で多くの方が署名運動に取り組んでいただきました。寄せられた署名は、6755筆で、累計で2万4214筆になりました。これを裁判所に提出しました。

 第3 次回期日
 次回期日までに、原告側は、被告の「新請求についても門前払い却下すべき」との主張に対する反論をします。被告側は、特に国が、親子裁判について、次回から実質的な反論をする旨言明しました。
 次回には、子ども人権裁判については門前払い却下されるか否かが明確になります。また、親子裁判については、論争がいよいよ本格化します。
 署名運動は少なくとも子ども人権裁判を門前払い却下されないことが明らかになるまで続けます。この間の署名運動によって、全国で多くの人たちがこの裁判に注目しているということを裁判所に示せています。ありがとうございました。引き続き、ご協力をお願いいたします。
以上

2015年12月7日月曜日

訴えの追加的変更申立書、準備書面(6)・(7)

12月1日の第3回口頭弁論に先立ち提出した書面です。

訴えの追加的変更申立書

原告準備書面(6)

原告準備書面(7)

 裁判記録には,これまでの記録を載せています。

第3回口頭弁論期日報告

第3回口頭弁論期日報告

弁護団長   井 戸 謙 一

 12月1日の第3回口頭弁論期日の報告をします。この日までに寄せられた署名9705筆(累計で1万7459筆)を裁判所に提出した後、期日が始まりました。
 
 原告側は、事前に、①訴えの追加的変更申立書【子ども人権裁判について、従前の確認請求(危険とはいえない地域で教育を受ける権利があることの確認を求める請求)に給付請求(危険とはいえない地域で教育を実施することを求める請求)を付け加えるとともに、「危険とはいえない地域」を福島第一原発事故直後の土壌汚染濃度から特定したもの】、②準備書面(6)(低線量被ばくの危険を述べたもの)、③準備書面(7)(小児甲状腺ガンの増加問題を述べたもの)を提出しました。また、子どもには安全な環境で教育を受ける権利があることについて、同志社大学の横田光平教授の意見書を提出しました。
 
 他方、被告国、被告県は、親子裁判について準備書面を提出しました。被告国は、原告側の主張に難癖をつけて、国の積極的主張をするのをまた回避しました。被告県は、基本的な主張をしました。それは、「県には、放射線量の情報を県民に提供する義務はない」、「国が安定ヨウ素剤を服用させる必要はないと判断している中で、県が県民に独自に服用を指示する理由はなかった」、「学校を再開したのは市町村教育委員会が決めたことで、県は関知しない」「山下俊一アドバイザーは放射能の危険性を科学的に説明したのであって、言葉尻をとらえて非難するのは相当でない」等と開き直るものでした。

 裁判所は、子ども人権裁判について、審理を終えて終結しようとしました。裁判所が子ども人権裁判を門前払いしようとしていることがはっきりしましたので、原告弁護団は、裁判所に対し、追加した給付請求について被告の意見を文書で求め、原告側に反論の機会を与えるべきこと、裁判所が、子ども人権裁判が訴訟要件を欠いていると考えているのであれば、それを指摘して、原告側に反論の機会を与えるべきこと等を強く迫りました。その結果、裁判所は、終結を断念し、原告側に次回までに反論の機会を与えることになりました。

 確かにこの裁判は前例がありません。前例のない裁判が起こったのは、前例のない人権侵害が起こったからです。それを裁く司法には、前例のない判断が求められます。弁護団は、そのことを次回期日までに強く主張して、裁判所の翻意を求めます。市民の皆さまも、葉書や署名の形で、裁判所に対し、是非意見をお寄せいただきたいと思います。
以上

2015年12月5日土曜日

子ども脱被ばく裁判の予定(平成28年前半)

子ども脱被ばく裁判の予定(口頭弁論期日)は以下のとおりです。


  第4回 口頭弁論期日 2月25日(木)15時

  第5回 口頭弁論期日 5月26日(木)15時

  第6回 口頭弁論期日 8月8日(月)15時


場所は,すべて福島地方裁判所203号法廷です。
福島地方裁判所:福島市花園町5-38

12月1日(第3回口頭弁論期日)での活動の様子

12月1日、子ども脱被ばく裁判の第3回口頭弁論が行われました。

 提出する9705筆の署名を持って支援者の激励を受ける原告と
弁護団の皆さん。

裁判所前で打ち合わせする弁護団



20151201 UPLAN【交流集会・進捗確認・出発式】子ども脱被ばく裁判第3回口頭弁論

20151201 UPLAN【裁判前リレートーク・記者会見・意見交換会】子ども脱被ばく裁判第3回口頭弁論

2015年11月12日木曜日

原告準備書面(5)

9月10日の第2回口頭弁論に先立ち提出された原告準備書面(5)です。

原告準備書面(5)

 裁判記録には,これまでの記録を載せています。

2015年11月11日水曜日

9月10日(第2回口頭弁論期日)での活動の様子

本日の裁判に出席する弁護士の紹介

中間判決に対応して集めた署名とはがき

今回の裁判の解説(途中からです) 井戸弁護団長

記者質問

被告の弁護士の方も涙していた (裁判中の原告陳述について)

安定ヨウ素剤の投与は間違って理解されている (井戸川元町長)

放射能の安全基準を含めた裁判の進め方(質疑)

20150910 UPLAN【事前集会前半】子ども脱被ばく裁判第2回口頭弁論